人生最上の思い出
20数年前に流行ったバンドのコンサートに行く。
20数年前の私はいわゆる青春真っ只中、大学も横浜だったので1人暮らし。名古屋から横浜に出て来て、すべてが新しい。すべてが好奇心がゆえに輝いて見えた。まさに光の中に在る自分だった。
そんな感動の毎日は、一つの失恋で一変してしまうんだが、
環境も人間関係も恋愛もすべてが我が人生上において最上だったのではないかと思う。
その時によく聴いていたバンドのコンサートに行くのだ。
もうCDなんてどっかにいってしまってるので、スマートフォンにダウンロードして聴いてみた。
はたして、当時の記憶がよみがえるのか?
若かった自分をおもいだしながらも、記憶はとぎれとぎれだ。
20数年前といえば、ロシアのペレストロイカ、ベルリンの壁など、世界史の分野にのっかりそうな感じがするが、
やはり我が身においても20数年という年月は、あまりに自分と周りを変化させていた。
もう、記憶もかすれ、自身にとって最上の時はどんどんと遠ざかって行く。
よき思い出は、老いと手をつないで忘却していくものだ。
人生のどこに仮りではなく、本当の幸せがあるのか。
20数年前に熱していた自分がコンサートに行き、どこまで冷めた心に火をつけてくれらのか。