真宗大谷派廣讃寺

雑記

2016-10-14

おとりこし

毎年、弥冨に出かけおとりこしを勤めます。

「おとりこし」とは報恩講のことです。

少し前まではこのおとりこしを稲葉地でも勤めたのですが、今はその習慣はありません。お講組が崩壊したのが原因です。

お講組とは今でいう、町内の組みたいなものです。隣近所の人々が集まって仏間でお勤めをし、しゃべる。「今年は野菜の出来が悪いな。お前んところはどうだ。そうそう、あの人が亡くなったが本当にさみしくなったな」みたいなことを。

職業が多様化し、集まる日にち時間を決めるのも大変になり、そして、町内の関係が希薄化しお講組は崩壊しました。

弥冨では何とか、お講組が残っていて、私が一軒一軒、報恩講のお勤めをし、最後の会所で、お講組のみんなで報恩講のお勤め。

そして、お勤めが終わるとお斎。お酒を飲みながら打ち解けあう。

そしてお斎が終わるころには夜も遅く、寒い風が吹いています。

これが毎年の行事です。

でも弥冨のお講組も、みんながつぶれないように気を付けているのでつぶれないのだと思います。一度つぶれたら復活はできませんから。