例えば、楽しい一泊旅行に行く前はウキウキします。旅行に行っている時より嬉しいくらいです。
いざ旅行の日になればあっという間に時間は過ぎます。
出発し、どこか観光地に行き、さて宿に着いた、お風呂だ、夕食だといっていたら、いつの間にか、もうこんな時間かそろそろ寝ようと。そして朝、目が覚めれば、楽しい旅行ももう終わりか、明日からはまた普段の生活だという思いが頭をよぎる。明日からはまた節約しなきゃ、と。朝食を食べて宿を出たら時間がたつのは早い。すぐに昼食の時間。どこか観光地に行って帰路につくころ、今夜のご飯をどうしようと考える、という感じでしょうか。
旅行に行ったという満足感があっても、帰宅後、一晩寝れば薄れます。疲労感のほうが残るかもしれません。
そうやって考えると、何か旅行全体を楽しんでいるような気がしないのです。
子どものころ、「もういくつ寝るとお正月」といっている頃はウキウキしていましたが、元日も昼を過ぎた頃から急激に冷めていきました。新年なんていう真新しさも急速に色あせる。「いつまで正月気分でいるんだ?正月ボケか」という言葉をよく聞いたが、正月ボケになる前に正月なんて終わっている。
旅行にしろ、正月にしろ、なぜかその当日を一番に楽しめていないのです。むしろ前日のほうがイキイキしている。クライマックスが前日というのもおかしな話ですが。
旅行や正月だけではありません。自分にとって楽しいことを本当に味わえているかということです。さらに楽しいことだけではなく、当日、当日を味わえているか。一年後とか明日とかではなく、【今】に足をつけて生きているかということが問われてきます。【今】に足がつけば、毎日がクライマックスになります。